陶酔庵とは
子供の頃、食卓に並ぶお皿は母が好む染付ばかりでした
当然食べることにしか興味がない子供時代でしたが、廊下に佇む一輪挿し、玄関に飾られた九谷焼の香炉、その下には藍染の敷物、和洋折衷にしつらえた壁紙…大人になるにつれ、風景の一部だったそれら一つひとつの存在を感じられるようになりました
そのどれも、高価な代物ではありませんでしたが、母が好んだ調度品に囲まれて育ったわたしは、気がつけば陶磁器を扱う職業に就いていました

陶芸家さんの手によって造られる『焼きもの』に触れてみると、素朴さや温もり、繊細さや大胆さと、さまざまな表情を感じられます
その『焼きもの』の放つ魅力を、多くの人に伝え、届ける術はないかという思いに至り、このサイトを立ち上げました

かの有名な美食家、芸術家である北大路魯山人が残した言葉に、『器は料理の着物』という一節があります
お漬物ひとつでも、盛る器によって世界観が大きく変わります

染付小鉢:宮永東山、 備前小皿:中村真、 葉形皿:坂田甚内
料理はもちろんのこと、日々の生活に馴染み、彩りを加え、心豊かにする…
そんな何気ないくらしの中に溶け込む逸品をお届けできたら、と思います

『陶酔庵』の由来
〜陶器を眺めているだけで酔える〜
見事な上がり、優美な肌、無骨さゆえの力強さ、目を奪われる造形、緻密で繊細な絵付け…
洗練された味のある焼きものは、いつまででも眺めていたい気持ちにさせる
同じように感じている方が集える場所でありたい…
そんな思いから名付けました