平戸焼(ひらどやき)は、現在の長崎県佐世保市三川内(みかわち)町を中心に作られている磁器で、正式には「三川内焼(みかわちやき)」と呼ばれます。
江戸時代、平戸藩(松浦家)の御用窯として、幕府や朝廷への献上品を焼いていたことから、「平戸焼」の名で広く知られるようになりました。

産地
長崎県佐世保市三川内地区
器の種類 
  • 磁器
主な特徴
透き通るような「白磁」
原料:
良質な天草陶石(あまくさとうせき)を使用しており、きめ細かく、純度の高い白さを持っています。
肌合い:
その白さは「卵の殻」に例えられるほど薄く、光にかざすと透き通るような繊細な美しさがあります。
繊細で優美な「染付」
技法:
主に**染付(そめつけ)**という技法が用いられ、焼成前に呉須(ごす:藍色に発色する顔料)で絵付けをし、その上から透明釉をかけて焼き上げます。
表現:
筆遣いが非常に細かく写実的で、青一色で濃淡を巧みに使い分け、立体感や遠近感を持つ「絵画的」な図案を描き出すのが伝統です。
精巧な細工と文様
平戸焼の代表的な技術や文様は、その超絶技巧で知られています。
唐子絵(からこえ):
七人または五人の子どもが遊ぶ様子を描いた文様で、藩の献上品にも用いられた三川内焼のシンボルです。一人一人の表情や動きが緻密に描かれています。
透かし彫り:
器の一部を細かくくり抜き、その穴に透明な釉薬をかけることで、光を通すと幻想的な文様が浮かび上がる技法。特に「蛍手(ほたるで)」として知られています。
細工物:
動物や人物などを象った置物や、複雑な構造を持つ香炉など、極めて高い成形技術が要求される細工物を多く制作しました。
窯元(主に過去にお取り扱いした作品の窯元を掲載)
平戸焼(現:三川内焼)について詳しく説明しているサイト (外部サイトに遷移します)