眞葛焼(まくずやき)は、京都から横浜に移り住んだ初代 宮川香山が、明治時代初期(1871年)に横浜で開窯し、主に海外への輸出を目的として制作した陶磁器の総称です。
- 産地
- 神奈川県横浜市
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器の種類 器の種類の説明
陶磁器とは、陶器と磁器の総称で、粘土や陶石を成形し焼いた焼き物です。
一般的には、土器、陶器、炻器(せっき)、磁器の4種類に分けられます。- 土器
- 陶磁器の最古の形態で、素焼きの器物です。可塑性に富む粘土を原料とし、縄文式、弥生式、土師器、須恵器などが挙げられます。
- 陶器
- 粘土(陶土)を主原料とし、比較的低い温度(900~1200℃程度)で焼成されます。吸水性があり、ぽってりとした温かみのある風合いが特徴です。
- 磁器
- 陶石(長石や珪石などの石を粉砕したもの)を主原料とし、高温(1300℃以上)で焼成されます。吸水性がなく、硬く、叩くと金属のような澄んだ音がし、透光性があるのが特徴です。
- 炻器(せっき)
- 陶器と磁器の中間的な性質を持ち、陶土より鉄分を多く含む粘土を使用し、比較的高い温度で焼成されます。吸水性が低く硬質ですが、透光性はありません。
- 陶器
- 磁器
- 主な特徴
- 高浮彫(たかうきぼり)の超絶技巧(明治初期)
- 眞葛焼が国際的な名声を得た初期の最大の特徴は、陶器の表面に施された彫刻的な装飾です。
高浮彫(たかうきぼり): 器の表面に、動物、昆虫、草花などのモチーフを極めて写実的に、かつ立体的に盛り上げて表現する技法です。
- その細密な造形は、まるで生きているかのように見え、陶器の枠を超えた彫刻芸術として当時の欧米で熱狂的に評価され、「マクズ・ウェア(Makuzu Ware)」として知られました。
- 例: 蟹や蛇などが器体に張り付いているようなデザインが有名です。
- 洗練された磁器表現(明治中期以降)
- 初代香山は、高浮彫で世界的な地位を確立した後、金の海外流出を防ぐ目的や、より高度な芸術性を追求するため、作風を大きく転換しました。
- 釉下彩(ゆうかさい): 釉薬の下に顔料で絵付けを施し、透明な釉薬をかけて焼き上げる技法を研究し確立しました。これにより、絵の具が剥がれる心配がなく、色の発色が鮮やかで奥行きのある表現が可能になりました。
- 磁器への移行: 陶器中心だった初期から、優美な白磁の胎土を用いた磁器が制作の中心になりました。清朝磁器の技術を参考にしながら、青磁や窯変(ようへん)釉など、洗練された単色釉や複雑な釉薬技法を駆使しました。
- 作風: 装飾過多な高浮彫から一転、シンプルで優雅な器形と釉薬の美しさを際立たせた、近代的な造形美へと変化しました。
その他の焼きものの種類
- あ行
- 有田焼(ありたやき) - 佐賀県
- 伊賀焼(いがやき) - 三重県
- 伊万里焼(いまりやき) - 佐賀県
- 色絵磁器(いろえじき) - 石川県佐賀県
- 越前焼(えちぜんやき) - 福井県
- 大樋焼(おおひやき) - 石川県
- 織部焼(おりべやき) - 岐阜県
- か行
- 笠間焼(かさまやき) - 茨城県
- 唐津焼(からつやき) - 佐賀県
- 京焼・清水焼(きょうやき・きよみずやき) - 京都府
- 九谷焼(くたにやき) - 石川県
- 小石原焼(こいしわらやき) - 福岡県
- 高麗陶磁(こうらいとうじ) - 韓国
- さ行
- 薩摩焼(さつまやき) - 鹿児島県
- 信楽焼(しがらきやき) - 滋賀県
- 志野焼(しのやき) - 岐阜県
- 吸坂焼(すいさかやき) - 石川県
- 瀬戸焼(せとやき) - 愛知県
- 相馬焼(そうまやき) - 福島県
- た行
- 高取焼(たかとりやき) - 福岡県
- 丹波焼(たんばやき) - 兵庫県
- 津軽烏城焼(つがるうじょうやき) - 青森県
- 壺屋焼(つぼややき) - 沖縄県
- 常滑焼(とこなめやき) - 愛知県
- 砥部焼(とべやき) - 愛媛県
- は行
- 萩焼(はぎやき) - 山口県
- 波佐見焼(はさみやき) - 長崎県
- 平戸焼(現:三川内焼)(ひらどやき げん:みかわちやき) - 長崎県
- 備前焼(びぜんやき) - 岡山県
- ま行
- 眞葛焼(まくずやき) - 神奈川県
- 益子焼(ましこやき) - 栃木県
- 美濃焼(みのやき) - 岐阜県
- 妙高焼(みょうこうやき) - 新潟県
- や行
- 温泉津焼(ゆのつやき) - 島根県
- ら行
- 楽山焼(出雲焼)(らくざんやき) - 島根県
- 楽焼(らくやき) - 京都府
- 李朝陶磁器(りちょうとうじき) - 韓国
- わ行
- 輪島塗(わじまぬり) - 石川県