会津塗(あいづぬり)は、室町時代に起源を持ち、安土桃山時代の名将・蒲生氏郷公によって産業として不動の地位へと導かれた、日本を代表する漆器工芸です。

その最大の魅力は、実用性を極めた「堅牢な塗り」と、見る者を魅了する華麗な「加飾(絵付け)」の調和にあります。縁起の良いモチーフを贅沢な金粉や色漆で描く「会津絵」や、漆の表面に繊細な模様を彫って金を埋め込む「沈金(ちんきん)」など、職人たちの精緻な技が光ります。長い歴史の中で培われた気品と、日常使いに耐えうるタフさを兼ね備え、現代の食卓にも温もりと格調高い華やぎを添えてくれる至高の逸品です。

産地
福島県会津若松市およびその周辺
器の種類 
  • 漆器
主な特徴
職人の技が光る華麗な「加飾(飾り)」
会津塗を語る上で欠かせないのが、漆の上の美しい装飾です。
  • 会津絵: 松竹梅や鶴亀など、おめでたい吉祥文様を色漆と金粉でダイナミックに描く伝統様式です。
  • 消粉蒔絵: 非常に粒子の細かい金粉(消粉)を使い、指の腹で優しく擦り込むように仕上げる技法。上品で極めて滑らかな、落ち着いた輝きが生まれます。
遊び心と頑丈さを両立する「変わり塗り」
会津塗には、独特のテクスチャーを持つ独自の塗り技法が数多く存在します。
  • 金虫喰塗(かなむしくいぬり): 黒漆を塗った後に大麦の殻を蒔いて模様をつけ、さらに金箔を貼り、上から漆を塗り重ねて研ぎ出す技法。虫が喰ったような独特の斑点模様と重厚な輝きがあり、非常に頑丈です。
  • 鉄錆塗(てつさびぬり): 重厚な鉄器のような質感を漆で表現した、渋みのある変わり塗りです。
分業制が育んだ「用の美」のクオリティ
会津塗は古くから「木地(器の形を削る)」「塗り(漆を重ねる)」「加飾(絵を描く)」の各工程を、それぞれの専門職人が担当する完全な分業制をとっています。各分野のスペシャリストが一切の妥協なくバトンを繋ぐため、美しいだけでなく、汁物や熱い料理を入れても傷まない、高い実用性と耐久性を誇ります。
会津塗について詳しく説明しているサイト (外部サイトに遷移します)