色絵磁器(いろえじき)は、焼成した白い磁器の表面に、赤、緑、黄、紫などの上絵の具で模様や絵画を描き、再度窯で焼き付けた磁器のことを指します。日本の陶磁器の中でも、特に華やかで装飾性の高い分野として発達しました。 色絵磁器の最大の特徴は、焼き上がった白い磁器の表面に、鮮やかな色で絵付けを施し、再び焼成するという製法が生み出す華やかで絵画的な美しさです。

産地
石川県、佐賀県など
器の種類 
  • 磁器
主な特徴
鮮やかで多彩な色彩表現

色絵磁器は、焼成後の磁器に上絵の具(うわえのぐ)という特殊な顔料で絵付けをします。この上絵の具は、比較的低温(約700~850℃)の上絵窯で焼き付けるため、陶磁器の顔料では出しにくい、鮮やかな緑や黄色など、多彩で発色の良い色を表現できます。これにより、白磁や染付(青一色)にはない、華やかで豪華な色彩表現が可能になります。

絵画的な立体感と光沢

上絵の具は、釉薬の上に乗った状態で焼き付くため、絵付けされた部分がわずかに盛り上がり、立体感が生まれます。また、光沢のある上絵の具は、筆遣いの繊細さや色の濃淡を際立たせ、まるでキャンバスに描かれた絵画のような装飾性芸術性を高めます。

「二度焼き」による工程の複雑さ

色絵磁器は、まず高温で磁器の本体を焼き上げる「本焼き」を行い、その後に上絵付けと「上絵焼き」を行うため、最低でも二回の焼成が必要です。この手間のかかる工程を経ることで、磁器の硬さと耐久性、そして上絵の鮮やかさという両方の特質を兼ね備えることができます。

窯元(主に過去にお取り扱いした作品の窯元を掲載)
色絵磁器について詳しく説明しているサイト (外部サイトに遷移します)