鎌倉彫(かまくらぼり)は、鎌倉時代から800年以上の歴史を紡いできた、木彫(もくちょう)と漆塗(うるしぬり)が融合した日本を代表する伝統工芸です。
その最大の特色は、かつて禅宗文化とともに歩んできた職人たちの、力強くも繊細な彫刻技術。カツラやイチョウなどの木地に大胆な文様を彫り込み、その上から幾層にも漆を塗り重ねて仕上げられます。漆独特の深みのある光沢と、彫り跡が生み出す陰影の美しさは、使い込むほどに角が取れて味わいを増し、日常の暮らしの中に静謐な気品としなやかな強さをもたらしてくれます。
- 産地
- 神奈川県鎌倉市およびその周辺
-
器の種類 器の種類の説明
陶磁器とは、陶器と磁器の総称で、粘土や陶石を成形し焼いた焼き物です。
一般的には、土器、陶器、炻器(せっき)、磁器の4種類に分けられます。- 土器
- 陶磁器の最古の形態で、素焼きの器物です。可塑性に富む粘土を原料とし、縄文式、弥生式、土師器、須恵器などが挙げられます。
- 陶器
- 粘土(陶土)を主原料とし、比較的低い温度(900~1200℃程度)で焼成されます。吸水性があり、ぽってりとした温かみのある風合いが特徴です。
- 磁器
- 陶石(長石や珪石などの石を粉砕したもの)を主原料とし、高温(1300℃以上)で焼成されます。吸水性がなく、硬く、叩くと金属のような澄んだ音がし、透光性があるのが特徴です。
- 炻器(せっき)
- 陶器と磁器の中間的な性質を持ち、陶土より鉄分を多く含む粘土を使用し、比較的高い温度で焼成されます。吸水性が低く硬質ですが、透光性はありません。
- 漆器
- 主な特徴
- 仏師の魂が宿る「彫り」の立体感
- 鎌倉彫のルーツは、仏像を造る「仏師」たちにあります。中国から伝わった、漆を何十層も塗り重ねてから彫る「彫漆」という贅沢な技法を、日本の仏師たちが「木を彫った上に漆を塗る」という独自の技法に翻案しました。そのため、他の漆器にはない、大胆で力強い立体感や、ノミの跡(刀痕)をあえて残す力強さが特徴です。
- 陰影を引き立てる「漆塗り」の妙
- 彫り終えた木地には、何段階もの漆塗りの工程が待っています。代表的なのが「乾口塗(ひくちぬり)」と呼ばれる技法です。朱漆を塗った後に「マコモの粉」などを蒔いて古美(ふるび)をつけ、独特の渋みを出します。これにより、彫り込まれた凹凸に美しい陰影が生まれ、作品に深い奥行きがもたらされます。
- 日常を彩る「堅牢さ」と「育つ愉しみ」
- 無名異焼などにも通じる最大の魅力が、日常でタフに使える「堅牢さ」と「経年変化」です。 鎌倉彫の器や盆は非常に頑丈で、気兼ねなく普段使いができます。そして、年月を経て使い込むほどに、表面の漆が擦れて少しずつ薄くなり、下に塗られた朱色や木目がじんわりと浮かび上がってきます。この「時が育てる美しさ」こそ、愛好家を惹きつけてやまない理由です。
- 鎌倉彫について詳しく説明しているサイト (外部サイトに遷移します)