乾山焼(けんざんやき)は、江戸時代の陶芸家・尾形乾山氏が京都・鳴滝で始めた焼きものです。乾山氏は野々村仁清氏から陶法を学び、1699年に窯を開きました。白化粧を施した陶器に銹絵や染付、色絵などで文様を描き、器の中に絵画や書、和歌を取り込んだ独創的な作品で知られています。
なかでも、兄の絵師・尾形光琳氏が絵を描き、乾山氏が器と書を担当した合作は乾山焼を代表する存在です。京都・鳴滝から二条丁子屋町、さらに江戸へと活動の場を移しながら作風を広げ、その陶法と「乾山」の名は後世の陶工にも受け継がれました。
- 産地
- 京都府京都市
-
器の種類 器の種類の説明
陶磁器とは、陶器と磁器の総称で、粘土や陶石を成形し焼いた焼き物です。
一般的には、土器、陶器、炻器(せっき)、磁器の4種類に分けられます。- 土器
- 陶磁器の最古の形態で、素焼きの器物です。可塑性に富む粘土を原料とし、縄文式、弥生式、土師器、須恵器などが挙げられます。
- 陶器
- 粘土(陶土)を主原料とし、比較的低い温度(900~1200℃程度)で焼成されます。吸水性があり、ぽってりとした温かみのある風合いが特徴です。
- 磁器
- 陶石(長石や珪石などの石を粉砕したもの)を主原料とし、高温(1300℃以上)で焼成されます。吸水性がなく、硬く、叩くと金属のような澄んだ音がし、透光性があるのが特徴です。
- 炻器(せっき)
- 陶器と磁器の中間的な性質を持ち、陶土より鉄分を多く含む粘土を使用し、比較的高い温度で焼成されます。吸水性が低く硬質ですが、透光性はありません。
- 陶器
- 主な特徴
- 絵画と書を取り入れた意匠
- 器面に草花や人物、和歌や詩などを取り入れ、器を一つの画面のように構成する文芸性の高い表現が特徴です。
- 白化粧と銹絵
- 白泥で器面を明るく整え、その上に鉄絵具による銹絵を施すことで、紙や絹に描いたような柔らかな表情を生み出します。
- 多彩な装飾技法
- 銹絵だけでなく、染付、色絵、金銀彩などさまざまな技法を用い、作品ごとに異なる表情を見せます。
- 尾形光琳との合作
- 兄・尾形光琳が絵を描き、乾山が器や書を担当した合作が知られ、陶芸と琳派の絵画が融合した作品を残しました。
- 自由な器形
- 角皿や短冊形など、描く題材や構図に合わせて器形そのものも工夫され、造形と絵付けが一体となっています。