乾山焼(けんざんやき)は、江戸時代の陶芸家・尾形乾山氏が京都・鳴滝で始めた焼きものです。乾山氏は野々村仁清氏から陶法を学び、1699年に窯を開きました。白化粧を施した陶器に銹絵や染付、色絵などで文様を描き、器の中に絵画や書、和歌を取り込んだ独創的な作品で知られています。

なかでも、兄の絵師・尾形光琳氏が絵を描き、乾山氏が器と書を担当した合作は乾山焼を代表する存在です。京都・鳴滝から二条丁子屋町、さらに江戸へと活動の場を移しながら作風を広げ、その陶法と「乾山」の名は後世の陶工にも受け継がれました。

産地
京都府京都市
器の種類 
  • 陶器
主な特徴
絵画と書を取り入れた意匠
器面に草花や人物、和歌や詩などを取り入れ、器を一つの画面のように構成する文芸性の高い表現が特徴です。
白化粧と銹絵
白泥で器面を明るく整え、その上に鉄絵具による銹絵を施すことで、紙や絹に描いたような柔らかな表情を生み出します。
多彩な装飾技法
銹絵だけでなく、染付、色絵、金銀彩などさまざまな技法を用い、作品ごとに異なる表情を見せます。
尾形光琳との合作
兄・尾形光琳が絵を描き、乾山が器や書を担当した合作が知られ、陶芸と琳派の絵画が融合した作品を残しました。
自由な器形
角皿や短冊形など、描く題材や構図に合わせて器形そのものも工夫され、造形と絵付けが一体となっています。